
初乗り料金値下げから1年。東京都内のタクシー利用に関する調査

- タクシー初乗り料金の値下げから1年。今後「利用頻度を増やしたい」16%、「利用頻度を変えようとは思わない」74%
- 東京都のタクシー利用者、月の利用料金は平均2,395円。ボリュームゾーンは1,000円未満
- 初乗り料金内でのタクシー利用、38%が「後ろめたさ・申し訳なさ」を感じる
- タクシー配車アプリ、インストール率は11%。アプリの利用率が高い順に、1位「全国タクシー」、2位「LINE TAXI」、3位「Uber」
- 2018年度に実証実験予定の”定額タクシー”、55%が「利用してみたい」
- タクシー乗車エピソード:旅行先で名所案内、陣痛時に親切に、裏道利用で時間に間に合った・・・他
タクシー初乗り料金の値下げから1年。今後「利用頻度を増やしたい」16%、「利用頻度を変えようとは思わない」74%
東京都におけるタクシーの初乗り料金の値下げから1年。今後のタクシーの利用意向について確認しました。
タクシーの初乗り料金の変更について詳細を説明したうえで、「初乗り料金の改定を受けて、タクシー利用頻度を上げたいと思うか?」と尋ねました。今後、「利用頻度を増やしたい」と答えた方は16%にとどまり、74%は「利用頻度を変えようとは思わない」と回答しました。
初乗り料金の値下げによって利用意向が高まった方は、そこまで多いとはいえなさそうです。
東京都のタクシー利用者、月の利用料金は平均2,395円。ボリュームゾーンは1,000円未満
それでは実際に、都民はどの程度タクシーを利用しているのでしょうか。
タクシー利用者に、1カ月当たりのタクシー利用料金を伺いました。すると平均は、2,395円。これは距離で換算すると6km程度の移動に相当します。
また、利用料金のボリュームゾーンは月平均1,000円未満で、タクシー利用者の51%が該当しました。
初乗り料金内でのタクシー利用、38%が「後ろめたさ・申し訳なさ」を感じる
初乗り料金の改定により、”近距離での利用”が増えたことが予想されます。初乗り料金内での利用に対して後ろめたさ・申し訳なさを感じる利用者もいるかもしれません。料金改定の前後の気持ちを伺いました。
料金改訂前に初乗り料金内でタクシーを利用した際に「申し訳なさ・後ろめたさ」を感じたという方は38%(とても感じる10%、やや感じる28%)。それに対して、値下げ後も38%(とても感じる13%、やや感じる25%)という結果でした。料金改定によって、後ろめたさ・申し訳なさを感じた人が大きく増えたわけではないようです。しかし4割近い人が、料金の改訂に関わらず、近距離利用に対して消極的な様子がうかがえます。
タクシー配車アプリ、インストール率は11%。アプリの利用率が高い順に、1位「全国タクシー」、2位「LINE TAXI」、3位「Uber」
昨今増えてきた、「タクシー配車アプリ」。電話で予約せずとも手軽に空車タクシーの手配ができるとして、タクシー会社各社からも独自のアプリが次々登場しています。では、利用実態はどうなっているのでしょうか。
東京都民のうち、タクシー配車アプリをインストールしている方は11%、実際に日ごろ利用している方は8.6%という結果でした。タクシー配車アプリをインストールしている88名に対し、普段利用しているアプリの種類を尋ねると、1位「全国タクシー」52%、2位「LINE TAXI」18%、3位「Uber」11%でした。タクシー配車アプリユーザーの中では「全国タクシー」のアプリが最も人気となっているようです。
2018年度に実証実験予定の”定額タクシー”、55%が「利用してみたい」
国土交通省は、2018年度に、定額で何度でもタクシーに乗ることができるサービスの実証実験を行うことを決めました。対象者やエリア、期間、時間帯を限定しタクシーを定額で乗り放題にするもので、高齢者の通院や買い物、子供の学校などへの送迎、通勤なども想定されています。
この「定額タクシー」サービスが導入された場合、利用してみたいかどうかを伺いました。すると、過半数となる55%が「利用してみたい」と回答しました。初乗り料金の値下げよりも、利用意向は高くでています。
タクシー乗車エピソード:旅行先で名所案内、陣痛時に親切に、裏道利用で時間に間に合った・・・他
これまでに、タクシーを利用した際、運転手さんにされて嬉しかったこと等何かエピソードがあるかを尋ねたところ、さまざまなエピソードが集まりました。一部抜粋してご紹介します。
- 両親が上京した際、ちょうど桜の時期だったので目黒川沿いを散歩に連れていきたかったが、ほとんど時間がなく、しかも両親の足も悪かったのでほんの少し見えるところを通って欲しいと依頼したところ、とても景色のいいところを走ってくれたため桜を満喫することが叶い、両親が大喜びだった。(42歳、女性)
- 夜間に顔を縫うレベルの大怪我をした時に、道で拾ったタクシーの運転手さんがネットで手当たり次第近くの病院を探してくれ、やっと緊急で診てくれる病院が見つかった。親切がとても嬉しかった。(27歳、女性)
- 娘の急な転勤の引越しで ホームセンターでたくさん買い物をして 新居までたくしーに乗った時 道案内がうまく出来なくても 丁寧に対応してくれた。荷物を一緒に玄関まで運んでくれた。新しい場所で大変だけど頑張ってと優しい言葉をかけてくれ 不安だったがとてもうれしかった。(53歳、女性)
- 娘が破水して陣痛タクシーを予約していたので、利用しました。シートを敷いてゆっくり病院まで送ってもらいました。タクシー会社の人達に親切にしてくださいました。(65歳、女性)
- 次の仕事に間に合いそうもないときに自分の焦った顔をみて、どうしたのかたずねられ、それならこの道でなくこっちであれば間に合いますとアドバイスしてもらい、実際に間に合った。(41歳、男性)
編集日 2018年2月15日
投稿日 2017年12月12日
- 2016年と2017年のタクシー利用頻度の増減とその理由
- タクシーの利用頻度
- タクシー初乗り料金改定の認知状況
- 初乗り料金改定により、乗車時に距離を気にするようになったか
- タクシーを利用する理由
- タクシーを利用するシーン
- タクシーの利用方法(呼び出す方法)
- タクシー利用時に困ったこと など
- 調査主体
- マクロミル
- 調査方法
- インターネットリサーチ
- 調査対象
- 東京都内在住の20~69歳の男女(マクロミルモニタ会員)
- 割付方法
- 平成27年国勢調査による、性別×年代の人口動態割付(合計1,000サンプル)
- 調査期間
- 2017年12月1日(金)~2日(土)
- ※ 本文の数値は四捨五入した整数で表記しています。
- ※ 百分率表示は四捨五入の丸め計算をおこなっており、合計が100%とならない場合があります。
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