
日本における“男女格差”の実態とは?全国2,000人に調査!

それでは実際に、現代日本における“男女格差”については、どのようにとらえられているのでしょうか。全国20~60代の2,000名を対象に調査を行いました。
また、本調査では、昨今世界的にムーブメントが起きている「MeToo運動」についても、どのようにとらえられているかを聴取しています。
- 日本は、「男女平等」ではない!?64%が、男女平等だとは思わないと回答
- 男女平等ランキングで日本は何位だと思う?回答平均は83位。男性回答平均75位に対して、女性平均は90位。女性の方がシビア?
- 生活の中で、“男女格差が大きい”と思う場面、1位「管理職への登用」、2位「育児に対する役割」、3位「職場での役割」。一方、半数以上が“男女平等”だと思うのは「医療」「教育」
- 性別を選べるとしたらどちらで生活したい?半数以上が「今と同じ性別」がいい
- 「MeToo運動」の認知率は21%。しかし、50%は“日本でもっと広がったほうがいい”
日本は、「男女平等」ではない!?64%が、男女平等だとは思わないと回答
日本は男女平等であると思うかどうかを尋ねたところ、「そう思う」(「とてもそう思う」「ややそう思う」の合計)と答えた方はわずか11%と1割強にとどまりました。一方で、男女平等であると思わない(「あまりそう思わない」「全くそう思わない」の合計)と回答した割合は、64%に上りました。
男女別にみると、男女平等であると思わない男性は57%、女性は70%の結果で、13ポイントの開きがありました。いずれも半数以上の方が、日本は男女平等ではないと感じており、その傾向は女性の方がより強いことが分かります。
自由回答で、男女平等だと思う/思わない理由を伺ったところ、以下のような回答が集まりました。一部抜粋してご紹介します。
男女平等であると思う理由
- 法律は整備されていて、実生活でも雇用機会均等法などが履行されている実感があるから。(24歳、男性)
- 職業選択の自由の社会が成立していると思う。ファッションも男性女性の差別もない。化粧やエステなども男性がしても変な目で見られない。(25歳、女性)
- 基本的には平等だと思う。女性にもレディースデーや女性専用車両のように女性にだけに権利が与えられているものもあるが、もともと男性のほうが有利な制度もいくつかあるようにも感じられるから。(36歳、男性)
- 昔と違って女性の活躍が飛躍し男性との立場が変わらなくなりました。これは法律の規制が変わったのもありますが男女が同じ立場で生活できるのが平等だと感じます。(63歳、男性)
- 自分が若い頃にはなかった女性の飲み会、女性が“一人飲み”が出来るのは男女平等になったからだと思います。(66歳、女性)
男女平等ではないと思う理由
- 少しずつ変わってきてはいるが、未だに男は外で働き女は家庭をといった考えの人間がいる。制度も変わっていない。(22歳、男性)
- 男性が女性に色々発言しにくい世の中になっていると思う。女性が同じことを言っても問題にならないが、男性が言うとセクハラ、モラハラ、パワハラと女性が過激に反応することが多いと感じる。(26歳、女性)
- 女性ができる仕事が少ない、管理職も少ない。家事の負担は女性にかなりかかっている。(31歳、女性)
- 社会的立場は男性が上と思っている方が多いから。しかしながらこと買い物に関しては、女性は優遇されている面もあると思う。(42歳、男性)
- 国会議員、官僚や閣僚、社長や重役、などの国の運営に関わる女性が少ないから。(43歳、女性)
- 女性専用車両とか、案外女性優遇の仕組みの方が多くなってきた気もする。(45歳、男性)
- 娘を見ていても結局は子育てのために女性が仕事を犠牲にするようになる。男性が育児にかかわることは難しい。また、政治家を見ても男性がほとんどである。(62歳、男性)
- 昨年退職したが、差別の少ない職種と一般には言われているが、管理職の登用など明らかに差別があった。(64歳、女性)
男女平等ランキングで日本は何位だと思う?回答平均は83位。男性回答平均75位に対して、女性平均は90位。女性の方がシビア?
続けて、世界196カ国※1のうち、男女平等ランキングをつけるとすると何位になると思うかを尋ねました。回答の平均は83位という結果でした。男女別に結果を見ると、男性の平均は75位、女性の平均は90位でした。
この結果からも、女性の方が男性よりも、日本における男女平等についてシビアに見ている様子がうかがえます。
なお、世界経済フォーラム(WEF:World Economic Forum)が発表する、各国の社会進出における男女格差を示す指数「ジェンダーギャップ指数」において、日本は2016年には144カ国中111位、2017年は144カ国中114位となり過去最低を更新しました。
本調査では196カ国を対象に順位を尋ねたため、単純な比較はできませんが、世界における日本の男女格差は、生活者が想像するよりも深刻な状況がある、と言えるのかもしれません。
※1:2018年2月現在、日本が承認している国195カ国に日本を加えた国数
生活の中で、“男女格差が大きい”と思う場面、1位「管理職への登用」、2位「育児に対する役割」、3位「職場での役割」。一方、半数以上が“男女平等”だと思うのは「医療」「教育」
それでは、生活の中のどのような場面で、男女格差を感じることが多いのでしょうか。世界経済フォーラムで「ジェンダーギャップ指数」を算出するのに使用される指標(経済活動や政治への参画度、教育水準、出生率や健康寿命)を参考に、本調査では以下の10項目について、現代の日本社会における男女格差の有無・大きさを尋ねました。
■本調査で聴取した項目
「給与水準」、「企業などへの雇用」、「管理職への登用」、「職場での役割」、「教育を受ける機会」、「健康であること」、「医療を受ける機会」、「政治への参画」、「家庭での役割」、「育児に対する役割」
「男女格差が大きいと思う」と回答した割合が多い順に、1位「管理職への登用」77%、2位「育児に対する役割」74%、3位「職場での役割」62%、4位「家庭での役割」61%、5位「給与水準」58%と続きます。
また、「男女格差はなく平等だと思う」と回答した割合が半数以上にのぼったのは10項目中3項目であり、多い順に「医療を受ける機会」71%、「健康であること」65%、「教育を受ける機会」58%でした。
現代の日本社会においては、経済活動や家庭内での役割において、男女格差を感じる方が多く、一方で、医療や教育については男女格差を感じる方は少ない状況にあると言えそうです。
性別を選べるとしたらどちらで生活したい?半数以上が「今と同じ性別」がいい
様々な場面において、現代日本ではまだまだ男女格差を感じる人が多い状況にありそうですが、性別を選べるとしたら、男性・女性どちらの性で生活したいと考える人が多いのでしょうか。「男性」「女性」「どちらでもいい」「その他」の4択で尋ねました。
結果は、「男性」として生活したい方が42%、「女性」が32%、「どちらでもいい」30%、「その他」1%で、「男性」として生活したいと希望する方が多いことがわかりました。
ところが男女別に回答を確認してみると、男性の回答は「男性で生活したい」67%、「女性で生活したい」9%、「どちらでもいい」24%。女性の回答は「男性で生活したい」17%、「女性で生活したい」56%、「どちらでもいい」26%です。男性・女性とも、“今と同じ性別がいい”と考える方が多いことがわかりました。
「MeToo運動」の認知率は21%。しかし、50%は“日本でもっと広がったほうがいい”
男女格差とは話題が離れますが、セクシャルハラスメントの告発運動である「MeToo運動」が昨今、世界中で盛り上がりを見せています。そこで、「MeToo運動」についての認知や意見についても伺いました。
最初に、「MeToo運動」についての詳細を説明しない状態での認知を伺いました。「知っている」と回答した方は21%、「聞いたことはあるがよく知らない」方は14%、「知らない」方は65%という結果でした。5人に1人が「MeToo運動」を知っていることがわかります。
続いて、「MeToo運動」の概要を説明したうえで、この運動に賛成であるか反対であるか尋ねると、「賛成」52%、「どちらともいえない」45%、「反対」4%でした。
また、日本でもっと広がったほうがいいと思うかどうかを尋ねると、「そう思う」と回答した方は50%(「とてもそう思う」「ややそう思う」の合計)でした。
- 男女格差があると考える場面において、男性・女性のどちらが有利だと思うか
- 世界経済フォーラムが発表する「ジェンダーギャップ指数」の認知状況
- 各種ハラスメントの認知状況:セクシャルハラスメント(セクハラ)、パワーハラスメント(パワハラ)、モラルハラスメント(モラハラ)、アルコールハラスメント(アルハラ)、ジェンダーハラスメント(ジェンハラ)、マタニティハラスメント(マタハラ) …など
- 調査主体
- マクロミル
- 調査方法
- インターネットリサーチ
- 調査対象
- 全国20歳~69歳の男女(マクロミルモニタ会員)
- 割付方法
- 平成27年国勢調査による、性別×年代の人口動態割付/合計2,000サンプル
- 調査期間
- 2018年2月16日(金)~2018年2月17日(土)
- ※ 本文の数値は四捨五入した整数で表記しています。
- ※ 百分率表示は四捨五入の丸め計算をおこなっており、合計が100%とならない場合があります。
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