
本や書店に関する利用意識を調査。紙の書籍は「大切な本」 電子書籍は「持ち歩き」と使い分け

- 「紙の書籍」は84%、「電子書籍」は34%、併用率は33%
- 電子書籍は「スマホ」で読むのが主流、若い年代ほど高い利用率
- 「大切な本、思い入れが強い本」は“紙の書籍”、「持ち歩く」場合は“電子書籍”と、使い分け
- “紙の書籍“は「小説・文芸書」、”電子書籍“は「コミック・マンガ」が1位
- なぜ書店に行く?「書籍購入」や「情報取集」のほか、「時間つぶし」39%、「雰囲気が好きだから」27%
- 書店での購入の決め手は、“作品自体の魅力“が上位。「書店のおすすめやランキング」「POPの内容」が2割程度
「紙の書籍」は84%、「電子書籍」は34%、併用率は33%
“紙の書籍”と“電子書籍”、それぞれの利用率を確認すると、“紙の書籍”は85%、“電子書籍”は36%で、今もなお“紙の書籍”の方が圧倒的であることがわかります。併用している人は33%でした。
続いて、読書をする人の頻度を見てみると、“週に1冊以上“読書をする層は、“紙の書籍”で32%、“電子書籍”で40%と、“電子書籍”の方がやや多い結果でした。特に「1日に1冊以上」と最も高頻度の層では、“電子書籍”の方が9ポイント高くなっています。 “紙の書籍”の方が、ユーザー数が多くメジャーであると言えますが、ユーザーの読書頻度では“電子書籍”の方が高いという実態が明らかになりました。
電子書籍は「スマホ」で読むのが主流、若い年代ほど高い利用率
“電子書籍”の利用端末※1について年代ごとに見ると、全年代の過半数が「スマートフォン」を利用し、若い年代ほど利用率が高く10代では実に9割に上ります。「タブレット」は50~60代、「PC」は60代で利用率が4割を超え、他の年代よりも高くなっており、そもそもの端末の保有状況や、文字の視認性や操作性といった点も背景にありそうです。
※1:全体の回答の上位4位を抜粋
「大切な本、思い入れが強い本」は“紙の書籍”、「持ち歩く」場合は“電子書籍”と、使い分け
それぞれの書籍を選ぶシーン上位5位を比較したところ、2つの特徴が見えてきました。
1点目が「利用場所」です。“紙の書籍”は「家で読む」が最多の60%に対して、“電子書籍”は「家で読む」41%のほかに「電車やバスなどで読む」42%、「旅行や出張などで読む」28%などが上位に入りました。“電子書籍”は、持ち歩きが必要なシーンで選ばれているようです。
2点目は「本の大切さ、思い入れの強さ」です。“紙の書籍”は「保管・保存しておきたい本を買う」48%、「何度も読み返しそうな本を買う」37%、「大好きな作家、漫画家などの本を読む」35%と思い入れに関する選択肢が選ばれているのに対し、“電子書籍”は「面白いかどうかわからない本を買う」25%がランクインしました。
●”紙の書籍” ”電子書籍”、それぞれを選ぶシーン 上位5位
ベース:“紙の書籍”、“電子書籍”を両方とも利用している人(n=666)/複数回答
”紙の書籍”を選ぶシーン
|
| (%) |
1位 | 家で本を読む | 59.5 |
2位 | 保管・保存しておきたい本を買う | 48.3 |
3位 | 何度も読み返しそうな本を買う | 37.1 |
4位 | 大好きな作家、漫画家など本を読む | 35.4 |
5位 | 勉強用の本を買う | 32.1 |
”電子書籍”を選ぶシーン
(%) | ||
1位 | 電車やバスなどで本を読む | 41.7 |
2位 | 家で本を読む | 40.7 |
3位 | 旅行や出張などで本を読む | 27.5 |
4位 | 面白いかどうかわからない本を買う | 24.8 |
5位 | 暗いところで本を読む | 18.8 |
“紙の書籍“は「小説・文芸書」、”電子書籍“は「コミック・マンガ」が1位
“紙の書籍”と“電子書籍”では、どのようなジャンルの本が読まれているでしょうか。
“紙の書籍”は多いものから、「小説・文芸書」60%、「コミック・マンガ」43%、3位「趣味・生活関連の実用書」41%、4位「雑誌」36%、5位「エッセイ・ノンフィクション」26%でした。
一方の“電子書籍”は、「コミック・マンガ」59%、「小説・文芸書」29%、「雑誌」23%、「趣味・生活関連の実用書」19%、「ライトノベル」15%でした。「コミック・マンガ」のスコアが突出しています。
●”紙の書籍” ”電子書籍”、それぞれで読むジャンル 上位5位
ベース:“紙の書籍”、“電子書籍”を両方とも利用している人(n=666)/複数回答
”紙の書籍”で読むジャンル
(%) | ||
1位 | 小説・文芸書 | 60.4 |
2位 | コミック・マンガ | 42.9 |
3位 | 趣味・生活関連の実用書 | 40.5 |
4位 | 雑誌 | 35.7 |
5位 | エッセイ・ノンフィクション | 26.3 |
”電子書籍”で読むジャンル
(%) | ||
1位 | コミック・マンガ | 58.7 |
2位 | 小説・文芸書 | 29.1 |
3位 | 雑誌 | 22.5 |
4位 | 趣味・生活関連の実用書 | 19.4 |
5位 | ライトノベル | 15.2 |
なぜ書店に行く?「書籍購入」や「情報取集」のほか、「時間つぶし」39%、「雰囲気が好きだから」27%
書店に足を運ぶ理由を尋ねると、上位5位は「紙の書籍を買うため」58%、「情報収集のため」45%、「時間つぶし」39%、「試し読みをするため」33%、「書店の雰囲気が好きだから」27%でした。特に若い世代では、時間つぶしや雰囲気を楽しむなど“購買や検討に直接的には結びつかないこと”が高い傾向にあります。
書店での購入の決め手は、“作品自体の魅力“が上位。「書店のおすすめやランキング」「POPの内容」が2割程度
最後に、書店で本を買うときの決め手を確認しました。「好きな作品・シリーズ」54%、「好きな作家」47%、「表紙やタイトル」42%と、本そのものが持つ魅力が上位3位に、そして「本の帯の情報」28%、「書店のおすすめや、書店のランキングで上位であること」21%、「POPの内容」15%が続きました。
●書店で本を買うときの決め手 上位7位
ベース:紙の書籍を買うために書店行くことがある人(n=1,062)/複数回答
(%) | ||
1位 | 好きな作品・シリーズ | 53.7 |
2位 | 好きな作家 | 47.3 |
3位 | 表紙やタイトル | 42.2 |
4位 | 本の帯の情報 | 28.3 |
5位 | 書店のおすすめや、書店のランキングで上位であること | 21.3 |
6位 | ネットやSNSで話題になっているもの | 18.8 |
7位 | POPの内容 | 15.2 |
- 数年前に比べ、“紙の書籍”“電子書籍”を読む頻度は増えたか、減ったか
- 併用者へ、“紙の書籍”“電子書籍“どちらのほうが好きか
- “電子書籍”を利用する理由、利用しない理由
- 将来的に、「紙の書籍」はなくなっていくと思うか
- 書店に行く頻度
- カフェが併設された書店の利用状況 ・・・など
- 調査主体
- マクロミル
- 調査方法
- インターネットリサーチ
- 調査対象
- 全国15~69歳の男女(マクロミルモニタ会員)
- 割付方法
- 平成27年国勢調査による、性別×年代の人口動態割付/合計2,000サンプル
- 調査期間
- 2018年8月14日(火)~2018年8月15日(水)
- ※ 本文の数値は四捨五入した整数で表記しています。
- ※ 百分率表示は四捨五入の丸め計算をおこなっており、合計が100%とならない場合があります。
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