
AIに置き換わる職業、人間が行うべき職業は?就業者1,000人調査

- AI導入を進めるべき職業は「工場作業員」54%、必ず人間が行うべき職業は「医師」57%
- クリエイティビティを要する「ミュージシャン」「小説家」は、6割強が“AIに置き換わらない”と予想
- 「労働力の確保」に期待する人が7割弱、一方で「雇用喪失」の心配も5割
- 66%がAIの普及を「歓迎すべき」
AI導入を進めるべき職業は「工場作業員」54%、必ず人間が行うべき職業は「医師」57%
就業者から“AIの導入を進めるべきだ”と考えられている職業の1位は「工場作業員」で54%でした。繰り返し作業や時に危険が伴う作業は、疲れ知らずのAIロボットに任せた方が良いと考えられているようです。続いて2位は「小売店のレジ係」45%、3位は「コールセンターのオペレーター」45%でした。近年、セルフレジを導入している小売店や、オペレーターの替わりにチャットボットを導入するネットサービスも登場しており、すでに身近な存在になりつつあることが背景としてありそうです。
一方で、AIの導入が望まれていない職業も存在しています。“必ず人間が行うべきだ”と考えられている職業は、「医師」57%、「料理人・シェフ」51%、「保育士」50%、「看護師」49%、「教師」47%でした。これらは、生命や人の気持ち・感性に寄り添う必要がある点で共通していると言えそうです。1位の「医師」については、最近では遠隔医療などのAIによる支援が役立つこともありますが、完全なAI化はあまり望まれていないようです。
クリエイティビティを要する「ミュージシャン」「小説家」は、6割強が“AIに置き換わらない”と予想
実際にAIに置き換わると思う職業、置き換わらないと思う職業を、現役世代にそれぞれ予想してもらいました。
置き換わると思う職業の上位は、先ほどの“AIの導入を進めるべき”職業とほぼ一致しました。いずれもスコアは8割超えと高く、多くの就業者がAIに置き換わると予想しています。一方で、置き換わらないと思う職業については、「ミュージシャン」64%、「小説家」62%とクリエイティビティが求められるものが上位でした。AIは過去の法則を学習して予測するという技術の上に成り立っていることから、人を感動させるような作品を生み出す職業には向いていないと考えられているのかもしれません。
「労働力の確保」に期待する人が7割弱、一方で「雇用喪失」の心配も5割
ビジネスへのAI導入が進むことで、今後多くの就業者がAIと共に働いていくことになります。就業者がAIに期待することは、「人手不足問題の解消」68%、「単純作業や危険作業を任せられる」67%が上位でほぼ同じスコアでした。一方でAIの導入で心配なこととして、半数が「今働いている人の仕事が奪われてしまう」と回答しています。AIによる労働力の確保を期待する一方で、就業者の雇用喪失を心配する声が多いようです。
66%がAIの普及を「歓迎すべき」
最後に、「総合的に、AIやロボットの普及は歓迎すべきだと思うか?」と尋ねました。
「歓迎すべき」12%、「まあまあ歓迎すべき」54%で、合計66%が歓迎すべきと考えています。理由は、「生産性の向上」「人口減少の穴埋め、人手不足の解消」「単純作業・危険な仕事を任せられる」などが挙げられたほか、歓迎すべきではあるが「AIに置き換えすぎず、ラインは見極めるべき」「人間としての思考力が落ちる気がする」といった回答もありました。
一方で「あまり歓迎すべきではない」17%、「歓迎すべきではない」4%と、合計21%が歓迎すべきではないと考えています。理由を自由回答で尋ねると、「人の感情や長年の経験が大事な仕事もある」「人の雇用が減る」「人間が確実に制御できるという保証がないままでは危険」「人間同士のコミュニケーションが減り犯罪が増える」「人間の心を大切にできなくなる」「人類が怠けてしまう」などが挙げられました。
繰り返し作業や時に危険が伴う作業はAIに、生命や人の気持ち・感性に寄り添う仕事は人間に、と考える就業者が多いことがわかりました。また総じて、AIの普及には歓迎派が多い一方で、雇用喪失については不安の声が多いようです。今後AIと共に働いていくことになる就業者のために、人間とAIの役割分断を明確にしていく必要があるのかもしれません。
本調査結果のより詳細な分析は、 MarkeZine10月号“データで読み解く”「AI、どんな職業で活躍して欲しい?」に掲載されています。
- AIの認知・理解状況
- 自身の仕事はAIへの置き換えが可能だと思うか
- 各職業は、どの程度AIへ置き換わっていくと思うか ・・・など
- 調査主体
- マクロミル・翔泳社(共同調査)
- 調査方法
- インターネットリサーチ
- 調査対象
- 全国20~49歳の就業者(マクロミルモニタ会員)
- 割付方法
- 事前調査の就業者比率に基づき性別×年代で割付/合計1,000サンプル
- 調査期間
- 2018年8月14日(火)~8月15日(水)
- ※ 本文の数値は四捨五入した整数で表記しています。
- ※ 百分率表示は四捨五入の丸め計算をおこなっており、合計が100%とならない場合があります。
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